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2025-04-18 07:09:00

販売業者、運送事業者、そして消費者 誰もがメリットある 「物流の人手不足」解決へのアプローチとは

人口のボリュームゾーンである団塊世代が75歳を迎え、国民の5人に1人が後期高齢者になる2025年、日本は未曽有の高齢化社会に突入しようとしている。人口構造の変化によって引き起こされる労働力人口の減少に対し、各所で解決に向けた議論が展開されている。

人手不足に直面する物流業界

中でも、人手不足の影響が顕著な領域といわれるのが医療・福祉、建設、物流などの業界だ。特に物流業界は、「物流の2024年問題」も記憶に新しいが、2024年4月に施行されたトラックドライバーの時間外労働上限規制が行われ、EC市場拡大による荷物の増加なども加わり、業務の維持・継続の難しさが高まっている。各事業者はトラックの大型化や共同輸配送などの運送効率化施策を実践しているが、自助努力だけでは現状を打破できないのが現実だ。

それではどのような解決策が求められるのか。国土交通省の調査によると、2024年に大手宅配事業者3社が扱った荷物のうち「再配達」が生じた率は約10%。受取人の不在や金銭授受の必要性などによって発生する再配達は、運送事業者のリソースを圧迫する要因になる。このラストワンマイルの問題に注目することは、1つの突破口になるだろう。

ポイントは、運送事業者や通販/EC事業者はもちろん、私たち消費者も含めた全員が、再配達の削減につながるアクションを起こすことである。

すぐイメージできるのは宅配ボックスや置き配の利用だが、それだけでは足りない。例えば、クレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済が広く普及した現在も、商品の受け取り時に代金を支払う、代引き決済(代金引換)を使っている人が多数いる。消費者にとっては便利なこの決済方法が、再配達発生の一因になっていることに目を向ける必要がある。

※令和6年10月、国土交通省による宅配便の再配達率調査(大手宅配事業者3社へのサンプル調査)

便利なだけではない「後払い決済」

消費者にとって、代引き決済には「配送を確認してから支払える」「『商品が届かない』などの詐欺トラブルを回避できる」といったメリットが存在する。

一方、配達員にとっては受取人不在時の再配達のほか、代金の授受や釣銭の用意・管理といった副次的な業務も発生する。通販/EC事業者の側にも、代金が支払われずに商品が返送された場合の管理工数や、未回収が発生した場合のキャッシュフロー悪化リスクが存在する。物流業界の人手不足解決を考える上では、これらを俯瞰して策を練る必要がある。

そんな中、注目を集めているのが、商品を受け取ったあと一定期間内に決済を行う「後払い決済」だ。通販/EC事業者がこの決済手段を新たに導入することで、物流業界の人手不足問題の解決に寄与できる可能性が示唆されている。

 

後払い決済がもたらす価値

後払い決済がもたらす価値
 

購入者、通販/EC事業者、配送員それぞれに対して新たな利便性を提供するとともに、物流業界の人手不足解決にも寄与する